今日は27日。
平成25年度も、残すはあと4日。
「年度」という言葉を用いているのは、長い役人生活の産物。
御存じのように、官庁や企業の会計年度の期間は「4月1日から翌年の3月31日まで」。
だから平成26年も、はや3ヶ月が過ぎようとしている今も、「平成25年度の予算云々、
平成25年度の業務処理云々」という言葉が、きっと官庁や企業では飛び交っているは
ず。
平成25年度の予算配付の決定通知書1本でも、決裁日が3月31日以前だとセーフ。それ
を過ぎると新年度(26年度)だからアウト。
よって、年度末は何かと年度内処理の業務に追われて慌ただしくなるのが過去の通例。
しかし、今はそんな無計画的な部署はないものと想定。
すると、そわそわする要因は3月31日の退職、4月1日の人事異動ぐらい。
何人かの後輩から、メールや電話で人事異動の内示の報告がありました。
サラリーマンにとって、人事異動で一喜一憂するのが、ちょうど桜が開花する今の時
期。
憤慨、悄然、喜色満面、無感動と、人により人事異動の内示に対するリアクションは
様々。
私は、今日も青山の喫茶店の窓辺に座り、小雨模様の空を眺めながら、こんなことを
考えていました。
「桜の咲く頃は人事異動の季節だ。
私も10年前に厚生労働省の退職辞令を貰ったが、あれは役人生活で最後になる21回目
の辞令だった。
今年の春も、同じように多くの後輩たちが辞令の交付を、いささかの興奮を抑えなが
ら待っているのだろう。
でも、勘違いしないでもらいたい。
たかだか、人事異動はサラリーマンの気分転換。それに知力と体力と能力に見合った
ポスト、という配剤。
特に今の日本、いや世界においては、そんな目先のことで一喜一憂している時代では
ない。
井の中のポスト交替ゴッコぐらいで騒ぐ前に、日本の現状と行く末を客観視し、これ
からの時代に自分はどの様な生き方をしていくのが本意なのかを、一度熟慮すること
が重要。
殆どのサラリーマンが、完全退職まで今の組織にぶら下がって現状維持を図ることを
漠然と考えているのだろうが、それなら、自分の役割(強み)や生き様(生き甲斐)を
リアルに再確認したほうがいい。
歳月は人を待たず、容赦なく過ぎて行く。
60歳から65歳への定年延長や年金受給開始年齢の延長も検討されている。
でも10年、20年などはあっという間に過ぎる。
50歳を過ぎたら、殆どの人は知力も体力も衰えてくる。これに連動して(仕事の)能
力も低下してくる。
職種や組織の大小で状況は変わってくるが、真の働き盛りのピークは、大体の人がこ
の50歳前後ではなかろうか。良くて60か?
60歳を過ぎたら、殆どの勤労者は心身ともに勤続疲労を起こしてくる。
さらに65歳を過ぎてくると、何がしかの疾病を抱えて生活する者が増えてくる。
だから、悔いなく人生を送るためにも、人事異動は色々と考えるのに良い機会。
さらに、その前に云いたいことがあった。
俺は横滑りだ、私は左遷だ栄転だと一喜一憂するのもいいが、そんなことは後年に評
価ができること。
そもそも人の命など、半年後に、いや明日にでも亡くなってしまうかもしれない。
そう考えると、特に「不本意な異動」と感じている人は、儚く短い人生にあって、井
の中の人事異動ごときで落胆・憔悴していることは愚かなこと、と思った方が良い。
いずれにしろ、他人への思いやりと自分への誇りを持ち合わせている人は、良き明日
が必ず訪れる」
25日に東京の桜が開花。
青い春の次には、朱い色の夏がやってきます。
そのあとには黄金色の秋も待っています。
あなたの人事異動の辞令は、その都度の「サクラ咲く」の開花情報。
だから頑張れ、後輩たちよ!
悔いなく、堂々と突き進め!
それでは良い週末を、良い年度末を。