今年のゴールデンウイークも終わりました。
今年は、一般的には4月26日(土)27日(日)が連休ですが、28日が月曜日なので、29日の
祝日(昭和の日)までの4連休とはいかず。
さらに4月30日(水)から5月2日(金)までの3日間が平日なので、3日(土)〜6日(振替休日)
の4連休との期間が空き過ぎ、殆どの人は黄金の11連休とはいかなかったのではないで
しょうか。
勤労者で、平日4日間の有給休暇を取得して11連休を楽しんだ人は、職場に恵まれてい
る人か、人望(又は実力)のある人か、あるいは周囲の空気に全く無関心な人。
想像するに、4月28日(月)の1日だけ休んで前半4連休にするか、さもなくば5月2日(金)
の1日だけ休んで後半5連休とするのが、一般的なサラリーマンの定石のような気がし
ます。
ちなみに昨年は、4月30日(火)〜5月2日(木)の3日間が平日でしたが、この3日間を休ん
で4月27日(土)〜5月6日(振替)までの10連休とした人も、少なくなかったようです。
普段は骨惜しみなく働き、無駄作業を省き、いざ休むという時は適切かつ大胆に休暇
を取り、その貴重な休暇期間を上手に過している人は、はたで見ていても実にスマー
トで魅力的です。
さて私の場合は、事業を始めてからいつも暦(こよみ)通りに事務所に通うことにして
いますが、休みたい時には休み(小旅行やゴルフのため。あるいは話題の封切映画を鑑
賞するため。
これらは平日に限る。休日は高くて混んでいて駄目)、ランチで来訪者と酒を飲んだり
した後はそのまま帰宅(早引き)したり、反対に休日でも散歩がてら青山の事務所に行
ったりするため、内実は暦など有って無きがごとし。
今では曜日の感覚は殆どありません。
先月も、GWに入る前に3日間ほど名古屋に行き、昔から常宿にしている「名古屋観光ホ
テル」に連泊。平日の人通りの少ない繁華街や裏通りを散策し、小物の買い物をし、
洒落た喫茶店で憩い、人に会い、夕食は二晩続けて静かなうなぎ蒲焼店で酒を飲み、
カラオケ店で歌ったりしていました。
そして街にサラリーマンや家族連れの群れが押し寄せる前に、東京に引き返してきた
のです。
「それでは、GWは何をしていたの?」と訝しく思う方もおられるでしょう。
そこは世間の喧騒の波に呑みこまれないよう、慌ただしいところには出かけず、さら
に最低限家庭の事情に合わせて、自宅にいるか近辺をブラブラしていました。
実に平凡な瑣末的な事ばかりですが、概略は次の通り。
4月26日(土)は、午前中に日本橋三越へ。プレゼント用品と自分の衣服を買いに。
その後、日本橋室町界隈を散策。
夕方は、子供や孫達総勢10名が集まり、中華料理店で夕食会。
27日(日)は、私用で首都大学東京(八王子市)へ。緑多くて広々としたキャンパスと、
国際交流会館内の素敵なレストランに感動。
28日(月)は事務所に出て、会社の4月分の現金出納帳の整理。その後、青山から渋谷ま
でウオーキング。
夜は次男夫妻と自宅で夕食。
29日(昭和の日)は二子玉川の高島屋へ。帰宅してから就寝まで読書。
30日(水)は、午前中、中目黒にあるかかりつけの内科クリニックへ定期診断に。
半年に1回行っている肝機能・腎機能・脂質・糖代謝の血液検査を(保険適用)。
午後は事務所に。拙書「良い週末を」の第7巻の印刷製本が完了したので、作業を依頼
した印刷会社のA社長が来訪。
5月1日(木)は、青山通りでメーデーのデモ行進を見学したあと、「青山長寿庵」で昼
食。
夕方は長男と二人で、再び「青山長寿庵」の暖簾をくぐり、銘酒「獺祭(だつさい)」
の冷酒を酌み交わして雑談。最初は1合を頼んだら、若い女店員が2合入りとおぼしき
徳利(ガラス製)に、ちょうど半分ほど注いで持参。その後は挨拶に来た馴染みの女将
さんに、「これをもう1合」と空の徳利を渡すと、何と上までなみなみと酒が注がれた
徳利と、メニューにはない酒の肴が差し出されて。
私が驚いて何か言おうとしたら、「シーッ」というように立てた人差し指を口元に。
それからはなみなみの徳利を何本か重ねる。
2日(金)は、やや二日酔なので三軒茶屋界隈を散策し、昼食(冷やし中華)を済ます。
午後からはDVD映画を観たり、風呂に入ったり。
後半の4連休最初の5月3日(憲法記念日)は、狭い庭で枝葉を広げている5本の立木の剪
定。
二段式の竿を伸ばして左手で支え、右手で太い麻紐を引っ張って竿先の鎌を操り、枝
葉を刈る。
意外と重労働で、終了した時には両腕がパンパンに。
4日(みどりの日)は、爽やかな快晴の天気に恵まれたので、鉄製の門扉のペンキ塗り。
油性の白ペンキを刷毛で塗るのだが、巧みに刷毛を操らないと刷毛の斑(ムラ)が残る。
また、テレピン油で希釈しないので、素早く塗っていかないとペンキがすぐに固まっ
てしまう。
何事も、無駄なく無理なく斑が無くが肝要、と痛感。
普段慣れない作業に加え、この1週間で3冊の本(「隠蔽捜査4・転迷」(今野敏・新潮文
庫)、「そして、人生はつづく」(川本三郎・平凡社)、「いま、小津安二郎」(小学館))
を読み、5本のDVD映画(「最強のふたり」(フランソワ・クリュゼ)、「あなたへ」(高
倉健)、「ランナウエイ」(ロバート・レッドフオード)、「ペイルライダー」(クリン
ト・イーストウッド)、「真夏の方程式」(福山雅治))を観たので、5日(子供の日)は首
と肩と腰がカチカチに凝ってしまう体たらく。
さらに、朝の5時半頃に大きな地震(世田谷で震度4)があったので、何とも目覚めが悪
く。
そこで気分転換を図るために、久々に駒沢オリンピック公園まで散策に。
ここで、私にとってびっくり仰天する光景に遭遇。
以下が、今回の話のポイントです。
「駒沢大学」駅前に差し掛かった時、地下鉄の出入り口から続々と人が出てきました。
まさにマンホールから水が噴出してやまないように、物凄い人の数。
何だこれは?と周囲を見回すと、駅前の交差点は信号待ちの人で溢れ、駒沢公園に向
う左右の舗道には、それぞれ遥か遠方まで延延と行列が続いています。
駒沢競技場でサッカーJリーグの試合が開催される時なども、駅前からの路は混雑しま
すが、今回はそれを優に越えた人の波。
私もその人波に紛れながら駒沢公園に入ると、中央広場につながる南北2本の広い路に
は長蛇の列が。
その最後尾を確認することさえ出来ない行列の横を辿って中央広場に出ると、幾つも
の大きな白いテントが
コの字型で配置され、その内で人がごった返していました。
この騒ぎは「肉フェス・2014」と名を打った、肉料理の祭典だったのです。
5月2日から6日までの5日間の開催。
国内外の評判の肉料理店が多数出店され、目当ての肉料理を食するために、各方面か
ら肉好きの人達が集まって来ていたのです。
ネットで調べると、その来場者数は5日間で約20万人が予測されるとのこと。
すると1日平均で4万人の来場者数に。
ほぼ満員の東京ドームの観客数に匹敵。
しかし、東京ドームにプロ野球観戦に何度も行き、球場と駅の行き帰りの観客の群れ
を見ている経験から、この5日に限ってはそれより断然多くなったのでは、というのが
私の実感でした。
私が公園内の散策を切り上げて帰ろうとした12時前、出入り口近くの行列の人々に向
って、誘導員がスピーカーで「今から食事券をお買い求めになるのに、3時間ほどかか
ります」と声を張り上げていました。
これを聞いて、私はまたも仰天。
「3時間も!そうしたら肉にあずかるのは午後3時過ぎ!。新幹線で東京と名古屋を往
復する時間だ」と。
しかし3時間と聞いても、長蛇の列は全く崩れず、誰もが表情を変えずに大人しく並ん
でいきます。
私だったら1時間と聞いても「やめた!」と、踵を返すでしょう。
遠方からはるばるやってきたにしても、3時間待つのをいとわずにじっと並ぶ人達。
そこまでして目当ての肉料理を
食べようとする意欲に感心するとともに、一方で何とも言えない馬鹿らしさ(失礼!)
に苦笑してしまいました。
来場者を眺めていると、男女の若者のカップルと、中年の女性が比較的に多いのが印
象的でした。
子供の日でしたが子供連れは少なく(近くのファミレスか食べ放題の焼肉屋の方が、子
供たちははるかに満足するはず)、また高齢者はともかく、中年の男性が少ない印象が
ありました(メタボなどの健康状態を考慮してか?)。
帰りに、公園の近くの手作りパン屋に入り、イート・インで珈琲とチーズパンなどで
ランチを。
女店員に「肉フェス」の話をふると、「えっ、今日は3時間待ちですか。昨日は1時間
と言ってましたよ」とビックリしていたので、やはりこの日の来場者数は4万人をはる
かに上回ったのではないでしょうか。
性格が受身的で大人しく、物事に淡泊ないわゆる「草食系」の若者が多いといわれる
昨今ですが、グルメの世界では「肉食系」の人達の多さに驚きました。
毎秋に同公園で開催される「ラーメン・ショー」は、来場者数がもっと少なかったよ
うな気がします。
そして、こうも考えました。
「肉食系はライオンやヒョウのように、瞬発力がある。行動もパワフルで積極的だ。
しかし、ゆっくりと草を食(は)む草食系のシマウマやキリンのような持続力はない。
また、群れることは苦手だろう。すると、この会場に来て黙々と順番を待っている人
々は、草食系タイプ?」
いずれにしろ、無料と言われても、私には絶対真似が出来ない行為であることは事実
です。
感心しました。
以上が、5日の日の出来事。
6日は振替休日。何の振替か?日曜日と重なったみどりの日でしょう。
昔は祝日と日曜日が重なってもそのままで、職場の誰もが「損した」とぼやいていた
ものです。
私は宮仕え(給与所得者)を辞めてから、少し受け止め方が変わりました。
確かに「自分の時間を切り売り(労働)して月給を貰っている」正規雇用のサラリーマ
ンや公務員などは、給与額がカットされるわけではないので、文句なく休日の多い方
が良いでしょう。
でも、休日が増えると困る国民も少なくないのが実情ではないか、と感じる昨今。
一例を上げれば、役所の閉庁による行政サービスのストップや、医療機関(特に診療所)
の休診。
これは地域住民には困ること。
繁華街の店や大型店、あるいは観光・レジャー産業等とは異なり、一般の店や中小零
細企業では売り上げが
落ちるところも多いのではないでしょうか。
そもそも昭和の日とか、みどりの日とか、どんな趣旨の祭日なのか、最近さっぱりわ
かりません。
東京オリンピックの開催日(10月10日)を記念して制定された「体育の日」は、今年は
10月13日。
単に土曜日を含めて3連休にするため、毎年10月の第2月曜日に設定されているようで
す。
まさに、御都合主義。プリンシプル(祝日の意義を国民が広く共有して休む、という原
理・原則)のない日本。
GWだ、お盆だ、年末年始だと聞くと、わざわざ人が集まるところに出かけては、いつ
も空と陸の便と高速道路の混雑を繰り返す、ワンパターンの国民気質。だから、解釈
ひとつでお手軽に改憲が出来てしまうかも?
いやいや、ここは柔軟性に富み、忍耐強い国民性、と感心するべきかも知れません。
この日(6日)は、事務所へ。
5日の朝の大きな地震の影響が心配だったからです。
メダカの水槽や鉢植えの花が、「2011年3月11日」の大地震(都内は震度5強)の時と同
様に、本箱の上から落下して絨毯は濡れ、メダカは干上がっていないか?と。
現地検分の結果、幸いに何も被害はなし。
震度5強と、今回の震度4(事務所のある港区や自宅のある世田谷区の場合。千代田区は
5弱)の影響の差を実感し、震度1プラスαの違いによって、これほど揺れの大きさに差
があったのかと感心。
そしてこのGWは「つまらないことに感心していた」と、昔とは大違いの今の自分に、
妙に感心しているのです。
さて、混雑と喧騒の波が去ったので、来週末と月末の2回ほど、佐久の小宅に行ってく
る予定。
思い立った時が、今の私のGWになるのです。
それでは良い週末を。