今日は10月3日(金)、9時45分。
東京の現在の天候は晴れ、気温25度。
生温かい南風が吹いています。
普段、事務所に着くのは10時半ごろ。
それが今日は9時半に到着。
それまでは、三軒茶屋駅近くの喫茶店「コロラド」で、モーニングセット(バタート
ースト、野菜サラダ、ブレンドホット)で珈琲を飲みながら、スポーツ新聞の日刊ス
ポーツを、ためつすがめつ30分ほど読んでいました。
なぜに今日は早い出勤だったかと言えば、寝ついたのが今朝の明け方の午前4時。
そして午前7時前に目が覚めたので、そのまま起床し、早めに家を出たからです。
昨夜はなかなか寝付けませんでした。
床に着いたのが午後11時過ぎ。
しかし眠気が訪れずに、目は冴えてくる一方。
午前零時、1時、2時、、、、、。
仕方なく電気をつけて本を少し読んだり、再び無念無想で入眠を試みたりするのです
が、一向に寝つける気配がなく、「もう、朝まで寝られなくてもいいや」と居直って、
色々と空想や追憶をもてあそんでいるうち、いつの間にか3時間ほど寝入ったという
次第。
原因は、ズバリ、昨夜の「プロ野球パリーグでの、ソフトバンクの優勝」。
自室で夜の9時頃に、「確か、今夜がオリックスとの最終戦だったはず」と気づき、
ラジオをつけると、案の定、文化放送から熱気のある実況アナウンサーの声が響いて
きました。
スポンサーがなく、自前で緊急に番組を組んだとのこと。
こうした柔軟的かつ大胆な番組変更が可能なのは、ラジオならでは。
それにしても文化放送はエライ!
試合は1対1のまま、緊迫した攻防で延長戦に。
するとアナウンサーが「試合終了後までお伝えします」と聴取者を安心させる配慮を。
私もこうなれば最後まで聴いていようと、覚悟。
そして、延長10回裏、1死満塁から松田選手が乾坤一擲のサヨナラ打を放ち、ソフト
バンクはチーム最終戦でようやく優勝を勝ち取ったのです。
最後の最後の試合で優勝を飾った最近でのチームは巨人。1994年の巨人対中日戦があ
り、巨人が劇的に優勝したことが記憶に残っています。あれから20年ぶりの激闘劇。
ソフトバンクの優勝は時間の問題でした。しかし優勝を目前にしながら、その後は1勝
9敗と大低迷。反対にオリックスが驚異的な粘りで追い付いてきました。
熱狂的な福岡のホークス(ソフトバンク)フアンは、ソフトバンクの秋山監督に「ヘ
ボ監督、辞めちまえ!」と容赦のないヤジを飛ばしていたそうです。
私は、この半月ほどのチームの大失速に、秋山監督は塗炭の苦しみを味わっていたこ
とは、想像に難くありません。
その表れが、サヨナラ打で3塁走者の柳田がホームインした瞬間、滅多に感情を表に
現さない秋山監督が、涙を流しながらチームの一人一人、裏方の一人一人と抱き合っ
て喜んでいた事。
アナウンサーも解説者も、「この1勝九敗の時期に、秋山監督は一切不満や怒りを選
手たちに向けたことがありませんでしたが、立派なものですね」としみじみと話をし
ていましたが、
私も差もありなんと胸を打たれました。
優勝監督のインタビューでも、秋山監督は謙虚で淡々と話されていました。
「胴上げされたときの気分は?」
「覚えていません」
「マジックが点灯してから、なかなか勝てない日々が続きましたが、監督としては大
変辛かったのでは?」
「私より、選手たちが、それに球団関係者の方、フアンの方々が辛かったのだと思い
ます。皆の支えで優勝できました・・・」
私は選手時代の攻・走・守揃った日本を代表するプレーヤーの秋山が好きでした。
それが監督に就任して、6年間で3度のリーグ優勝を果たした、「クールに燃える」
秋山が一層好きになりました。
私がホークスを応援するようになったのは、王貞治氏がダイエーの監督に就任してか
ら。
王さんは、ダイエーの監督に就任する前は、虎ノ門のTOTOビルに事務所を構え、野球
解説から種々のボランテイア活動を行っていましたが、その中でも「骨髄バンク」へ
の協力が際立っていました。
当時、厚生省の骨髄バンク担当だった私は、骨髄バンクのポスターのモデル撮影や、
各種講演・イベントへの参加を王さんにお願いし、その打ち合わせのためにしばしば
事務所に伺っては、王さんと話をしていました。
常にスポーツマンらしく爽やかで、誰に対しても謙虚で折り目正しい方で、私はすっ
かりファンに。
そしていつしか王さんから「色々な省庁から依頼があるんですが、私にはどれをどう
選択していいかわからないので、役所関係の仕事が依頼されたら、東井さんの判断で
セレクトしていただけますか。
秘書にもそのように伝えておきますから。東井さんの判断に従いますので」という、
関係になっていたのです。
応接室で「王さんも長島さんのように、もう一度監督をなさらないのですか?」と尋
ねると、「監督は大変な仕事ですからねえ。ミスターも大変だと思いますよ」と言っ
て、明言はされなかったのですが、その後、ダイエーの監督に内定したニュースを知
り、「やはり」と、うなずいたものです。
その王さんの愛弟子の秋山監督。
二人には「誠実さ、心の広さ」という、私が敬愛する男としての共通点があり、だか
らこの二人がいる限り、私はホークスの試合についつい目が行ってしまうのです。
それにしても昨夜のホークスの優勝は、自分でも驚くほどの感激となりました。
こうした出来事が、最近世の中から少なくなっているようなので、なおさらだったの
かもしれません。
歓喜の興奮が冷めやらずに不眠のまま朝をむかえられるということは、幸せなことで
す。
今だ余韻が残っているのでしょうか、朝から何となくハイ。
それなら仕方がありません。これから昼食に出て、生ビールでも飲みながら、
心ひそかに「優勝、乾杯!」と叫ぶことにしましょう。
それでは良い週末を。