年末の追記

昨日の衆議院選挙は、全てのマスコミの当初予想通り、自公連立政権の圧勝で終わり
ました。
12月5日付の「良い週末を」で、私が深く危惧した予想も、残念ながら当たりました。
それは投票率が戦後最低の52.7%だったことで明確なように、約47.3%の有権者が投票
を棄権したことです。
有権者総数(約1億400万人)の約半分。
民主党政権の体たらくに失望した有権者が棄権に回った前回の選挙は、59.3%。これよ
りさらに6.7ポイント下回ったのです。
これは、私にとって驚愕の数値でした。
まさに戦後最低。
有権者の2人に1人が棄権する国政選挙。
これが議会制民主主義を誇る国の、健全な姿といえるのでしょうか?
選挙権を求めて革命を起こす発展途上国がまだまだ多い世界にあって、実に悲しい現
状。

全有権者からの得票率(信任率)は、自民党は20%台前半でしょうか。
有権者の5人に1人程度の信任で、現政権の「この道」を含めて、これからの全ての政
策が安倍政権に「白紙委任」されたことになりました。
争点が曖昧で、マスコミ(TV)の選挙に関する報道の総時間が、前回選挙の3分の1し
かなかったということからも、政権与党の「マスコミ封じ・国民の目くらまし戦法」
は、効を奏したと思います。
「寒いから」「支持する政党が見当たらないから」「若者に興味のある政策がないか
ら」
棄権をしたという、有権者の声が、TVから流れていました。
結果、投票を棄権した有権者の全てが、実質的に現政権を支持したことになりました。
(投票率が下がれば、企業団体や宗教団体や地元の後援会などの強固な組織が基盤と
なる、自民党や公明党が有利な選挙になるのは、自明)諦観の高齢者、徒労感の中年、
無気力感の若年。

さて、日本はいよいよ右寄りに大きく舵を切り、「戦後、タブーとされてきた」様々
な法案を強行突破し、「強い国」目指して驀進することでしょう。
国民の積極的・消極的な圧倒的多数の支持を、錦の御旗に掲げながら・・・・。
もう殆どの国民は何も言わず、その勇ましい行軍を見守り、敵を罵倒する側に立つの
でしょうか。

今だかってない、予測不能の国家主義の時代が始まったようです。
これも、いつの日にか「私の人生における、一つの不条理な時代だった」と、静かに
笑えるときが来るのだろうか。
そんな思いが浮遊します。
だから、虚無的ではなく前向きに、「楽しいことは明日に延ばさず、今日、楽しみま
しょう。
今日を大切に生きましょう」との切なる言葉を最後に記して、今年のエッセイを閉じ
たいと思います。

今年も最後まで、私の独断と偏見に満ちた拙劣な文章をご笑覧いただき、深く感謝を
申し上げます。
それでは良い年末を。良き新年を!