「貴方の一番好きなことは?」と聞かれたら、私は「一に交遊、二に読書、三、四を
飛ばして五にスリー・エス「Sports(スポーツ)・Song(歌)・Sake(酒)」と答え
るでしょう。
ただし交遊の概念は、趣味やスポーツや飲食を通しての同姓や異性との交際など、五
番目の3Sも包含するので、二番までで良いかもしれません。
しからば、「一番嫌いなことは?」と聞かれたら。
正直なところ、思いつきません。
そもそもこの10年ほどは「嫌なことはやらないか、避ける」の信条に徹してきたので、
具体的な事柄が浮かびません。
強いて上げれば、好きなことの裏返しになるでしょうが「嫌な人に関わること」とで
も言えば良いでしょうか。
さて、今回述べたいことは「厄介なこと」。
それは何か?
軽薄のそしりをまぬがれませんが「シミを増やさないように予防する」こと。
顔の頬や目の下、鼻梁(鼻すじ)などに出来るシミを防ぐことなのです。
3年前の春に、左のこめかみのあたりに、直径1センチほどの薄茶色のシミが出来てい
ることを確認。
そのうちに消えるだろうとタカをくくっていましたが、その年の夏が過ぎたあたりか
ら焦げ茶色に変色し、写真にもはっきりとシミが映るほど濃厚になってきました。
そのことは孫から「おじいちゃん、これどうしたの?」と聞かれたり、朝の髭そりの
際に鏡を覗くたび、やたらと気になってきたのです。
さらに、それ以外にも目の下や右の頬や顎に、はっきりと確認できる小さなシミが数
点発生。
「俺にもシミができるのか?」と動揺を来たし始めたのですが、それでもまだ余裕が
ありました。
しかし、翌年(2年前)の夏に、夏の甲子園・高校野球の東京都予選を観戦しに、神宮
球場や駒沢球場に何度か出かけたり、ゴルフに行ったりしたのを境に、シミが一気に
顕著になってしまいました。
シミの発生原因は「紫外線、女性ホルモン、ストレス、内臓トラブル、加齢」などと
のこと。
特に直射日光(紫外線)を浴びると、表皮細胞は肌を守るためにのメラニン色素を生
成し、新陳代謝により自然にその日焼け肌がむけ、また元の綺麗な表皮に戻るが、浴
びる紫外線量が一定度合いを過ぎると、色素が沈着してシミが出来るケースが多い、
とのこと。
私の場合は、やはり紫外線を浴び続けたことと、加齢による肌の老化(新陳代謝の低
下)が主要因でしょう。
若い頃は、夏の炎天下のコートでバレーボールの練習に励んだり、中年になってから
は草野球に興じていたので、一年中日焼けして浅黒い顔をしていました。
さらに、月に数回はゴルフ場でプレイしていたので、日焼けの上に日焼けを上塗りし、
職場の連中から「真っ黒だねえ」と、よく冷やかされていたものです。
それでも、毎年1〜2回、顔や腕の皮膚がむけるだけで、シミなど全く出来なかったの
です。
それに、日焼けした浅黒い顔に似合う、真っ白なポロシャツやワイシャツを着て、仲
間たちと有楽町や六本木の飲み屋に繰り出すのは、まさに「若さの象徴」とも思え、
とても爽快で恰好がいいと自己満足していたので、積極的に日焼けをしていたのです
が。
やはり「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」となりました。
2年前の秋には、左のこめかみのシミは真っ黒に変色し、やや盛り上がってきました。
皮膚がんも怖いし、みっともないので、近くの皮膚科クリニックで診察を。
中年の女性院長から「シミが深いので、シミを薄くする軟膏をだします。それを毎日
寝る前に塗布して、1ヶ月後に来てみてください」との指示。
しかし、1ヶ月間励行しても、かするほどの手ごたえもありません。
「全然、効果が無いですよ」と報告すると、院長は最後の切り札とばかり「レーザー
治療してシミを取り除く方法がありますが、ちょっと治療費が高くなるんですよ」と、
さり気なくおっしゃる。「幾らですか?」
「2万円です」
結局、これが根治療法だと判断し、「それでお願いします」と、後日受療。
この治療時間は15分ほど。
皮膚が焼かれ、ヒリヒリする跡に小さなガーゼ・テープを貼り、1週間後それを取り除
き、生皮が再生されてきたところに軟膏を毎日塗布。
晴れて1ヶ月後、薄いピンク色の生皮が張っていました。
再診で「お蔭で、綺麗になりました」と挨拶。
でも、数ヶ月後にはガックリ・・・。
翌年(昨年)の春に、すでに薄ピンクから肌色に変色してきたシミあとは、さらにレ
ーザー治療前の茶褐色に戻ってしまったのです。
その後、色々な人に聞いたり調べたりしましたが、「よくあること」とのこと。
完全に焼灼して消したと思えたシミは、所詮、氷山の一角を削っただけで、根っこは
残っているのでしょう。
根治療法はないようです。
そこで、仕方なく昨年夏から励行しているのは、「今のシミを深化拡大させない。新
たなシミを出さない」ための現状維持・予防対策。
一つは、大きなシミやその子分の様な幾つかの散在するシミの希薄化を図るために
「SOFINA・集中美白スティック(花王)」という医薬部外品の塗り薬を、朝晩に塗布。
もう一つは、既存のシミの深化拡大と新たなシミの発生を予防する為に「ANESSA(資
生堂)」という日焼け止め用乳液を、朝に塗布。
これらを、それぞれ毎日励行しているのです。
そして、身体全体の健康保持のためにも、ビタミンC(アスコルビン酸)99%の粉末
を毎日3グラム服用。
これを今日までずっと続けてきましたが、つくづく、女性の化粧の大変さを思い知ら
されています。
(一般女性は、程度の差こそあれ、誰もが死ぬまで化粧を続けるのでしょうか?配偶
者は殆ど年中ノーメイクの気配なので、このへんがわかりません)
昨年の夏から開始したシミ対策。
説明が長くなりましたが、これが現在抱える一番の「厄介なこと」。
今のところ、全体的に見て悪化は認められず、まずは満足出来る状態ですが。
でも、「乳液は塗り込もうとせず、肌に乗せるように塗るほうが効果的」とか、色々
と厄介。
面倒なこと、この上ありません。
もう1年ほどたったら、きっとやめているでしょう。
「70近い男が、顔のシミを気にしてなんになるの?」と、嘲笑を受けるだけのことで
すから。
アンチ・エイジング(抗加齢)対策も結構だが、つまるところ、加齢に伴う心身の老
化現象は、無理せずに自然のままに受け入れていくのが、賢明なのかもしれません。
顔のシミ以外にもシミはあります。
心のシミが。
「ずっと昔の若い頃、泣いて別れた女の子の涙の一滴が、今でも心にシミとなって残
っている」。
というのは冗談。
「もう一度、あの頃の様に無邪気になって、真っ黒に日焼けしてみたいものだ」
そんなつまらぬことを考えながら、68回目の夏を迎えるのです。
それでは良い週末を。