また逢う日まで

連日、容赦ないほどの豪雨が全国各地を襲っています。
1年を通して、地震、噴火、豪雨、雷雨、洪水、土砂崩れ、竜巻、豪雪、猛暑日(最高
気温35度以上の日)、真冬日(最高気温ゼロ度未満の日)などという予報が、テレビ
やラジオから連日のように流れている気がします。
近年、「30年に一度、いや50年に一度」の異常気象が各地で起こっているのは、私に
は天の警鐘に思えてなりません。

自民党の勉強会で、「(反政権的な)沖縄の新聞2社はつぶさなあかん、(反政権的な
報道をする)マスコミは懲らしめなくてはいけない」といった主旨の発言が3人の議員
から出て問題になっていますが、安保法案(戦争法案)などに関する国会中継をテレ
ビで観ていても、そのダラケた審議ぶりを前述の自民党の傲慢ぶりと重ね合わせ、
「日本の政治はここまで低劣になってしまったのか」と暗澹たる気持に陥っています。
時間のある人は、一度国会中継を観てください。
緊張感のない質問をする野党も、真っ当な質問にははぐらかしの答弁をして恥じない
政権・与党も、みな同じ穴のむじな。
「日本のため、国民の安全安心のため」などと、心にもない美辞麗句をしゃあしゃあ
と述べたてる醜さ。
議員特権に胡坐をかき、ぬるま湯のような議場で「生徒会」のお芝居をしているよう
に見えること、必定でしょう。

日本の経済力・消費力も、この20年ぐらいで大きく低下しています。
例えば、国民一人当たりのGDPは世界2位(1993年)から24位(2013年)に、世界の輸
出総額に占める日本の比率は、9.1%(1994年)から3.8%(2013年)に。
現状を直視せず、さらに忍びよる危機から目をそらせ、「日本は優秀だ。まだまだ世
界に冠たる大国だ」などとの幻想をふりまき続けているのは、国民の覚醒を怖れ、世
論の怒りの形成を忌避したい国家権力の中枢と、既得権益グループの一部大企業やマ
スコミの幹部の思惑があるからとしか、思えません。
本当に日本の社会全体が無気力化、劣化してきたと痛感しています。
先日の新幹線車両内での「焼身自殺」とおもえる衝撃的な事件も、若者による狂気の
酒酔い運転で、無辜の民が凄惨な交通事故死をした事件も、梅雨空の様などんよりと
した、光が見えない現在の社会状況が遠因。私はそう直感しているのですが。

先ほど、羽田空港から帰宅しました。
次男の嫁と3歳の子が、プラハに発つのを見送りに行ってきたのです。
4か月前に、すでに次男が単身赴任しており、それを追って旅発ったのです。
通常の人事から推測して、プラハ(チェコ)からもう1か所ヨーロッパ圏の都市に異
動し、一家で帰国するのは5年後のはず。
今度帰国するのは2020年春。
私は内心、プラハにいる息子を思いやりながら、こんなことを考えていました。
「行って来い。日本を離れて、むこうから日本を遠望していたほうがいい。
これからの日本は、どんな辛いことが起こるかわからない。
まさに暗闇の時代に突入した。
今度みんなで会う時は、私は72歳。日本は東京オリンピックの年。
それまで、日本の社会が崩れずに、少しは前進した明るい社会になっていることを私
は祈っている。勿論、君達の健康と希望のある明日の到来もね。
そうそう、もう一言。
これは昨夕の朝日新聞に書いてあったこと。
落語家の三遊亭金馬氏の言葉だよ。

「国の偉い人がやりたいと思ったら、きっと戦争になるよ。
うちのガキどもには口をすっぱくして、戦争が起きたらな、まずは逃げろ、と言って
いるんです」と。
それでは元気で。また逢う日まで」

思いやりの心がある、平和な社会に生きること。
それが一番幸せな人生。
今日まで68年間生きてきた、これが私の確信です。

それでは良い週末を。