安 心 |
今日は5月27日。今月最後の金曜日。 今の時間は午後4時50分。 朝からの小雨や曇天もようやく去り、西の空の上には、薄い雲間から陽光が射して います。 事務所から青山通りの広い歩道を渋谷まで歩き、途中、三軒茶屋駅でウイスキーの 「響」を買って、今さっき帰宅しました。 すぐに二階の自室の窓を開け、暮れなずむ西空を眺めて、ひと安心。 その前に、袋小路の奥にある我が家への私道に入った時、隣家の二階の屋根に寝そ べっているどら猫を見かけて、ひと安心。 最近はめっきり野良猫の姿が減り、「絶滅したか」と思っていたら、先月末に久々 に見かけたどら猫。 近所の野良猫の中でも、一番太って大きく、ふてぶてしい風体だったのが、見る影 もなく痩せていたのでびっくり。 その後、見かけるたびにピクリともせず、いつも死んだように寝そべっているので、 「長くはないな」と予測しているのです。 でも、まだまだ生命が息づいている気がして、ほっと。 まさに猫の額のように狭い我が家の庭には、いつ買ったか忘れてしまったほど昔に 植えた、赤と白のベコニヤの花や、冬から延々と咲いている赤いゼラニュウムの花 に交じり、一昨年に植えたサルビアの深紅の花が、早々とあちこちで咲き始めてい ます。 これらの平凡で忘れかけた小さな花たちが、今年も自力で咲き始めている姿を目に し、何か言い知れぬ安心と喜びが湧いてくるのです。 前置きのような文を長々と書きましたが、私は「人生の幸福は何か?」と問われた ら、一言「安心で生きられること!」と答えるでしょう。 安心とは、広辞苑的に言い換えると「不安、心配がなくて、心が安らぐこと」。 先週、かかりつけのクリニックで「24時間心電計」を身体に装着して、不整脈等 の検査をしました。 3週間前に、夜中に怖い夢を見て目覚め、動悸が異常に高鳴っているので、慌てて 血圧計(脈拍計付き)で確認したところ、いつもよりだいぶ血圧が上昇し、脈拍も 多かったので不安になったからです。 「不整脈か?心臓の疾患か?」考えれば考えるほど不安が増します。 そこで、かかりつけ医に受診して検査をした次第。 結果は「平均心拍数は72と良好です。心室および上室期外収縮をわずかに認めま したが、問題ないものです。重症不整脈無し。ST変化なし。動悸を自覚した際の (注・昼間の電話中、2回、ドキンと動悸を体感。それを備考欄に記載しておいた) 心電図に問題となる異常を認めませんでした」とのこと。 人生の日々においては、様々な出来事が起こってきます。 経済的問題、仕事上の問題、家庭内の問題、子育て・夫婦間の問題、人間関係上の 問題、予期せぬ不祥事に巻き込まれたり、交通事故・社会的自然的災害の被害を受 けること、そして病気に見舞われること等々。 そうした幾多の荒波を乗り越え、人は平均して80、90まで、あるいは100を 超えて生きている人も少なくない時代になりました。 でも、その間には「辛い、苦しい、悲しい、怖い」こともたくさんあったはず。 だからまずは、いま生きているということは凄いこと、私はそう痛感せざるを得ま せん。 そのうえで、「安心」の日々を過ごせたら、これにまさる幸福はないと思う今日こ の頃なのです。 「どら猫よ、明日も安心して二階の屋根の上で、いい夢でも見てくれ。 私はこれから、「響」のウイスキーを濃い目の水割りで飲みながら、静かに週末の 夕食を 楽しむことにするよ。 明日からも安心の日々が続くことを願いながら」 それでは良い週末を。 |