東井朝仁 随想録
「良い週末を」

                  確 率 と は ?
私はテレビは殆ど観ませんが(注・新聞は今年から配達による購読をやめているので)や
むを得ず天気予報だけは毎日観ています(注・スマホの天気予報は、テレビと異なった予
報が多く、テレビより当たらない)。
しかし、この天気予報でいまいち分かったようで分からないのが「降水確率」。
定義では「予報対象時間の6時間(午前6時〜12時というように、6時間刻み)に、1
ミリ以上の雨が降る確率」とのこと。
それではその確率はどのように決めているのか。
それは、「過去の同じ気象条件(気圧配置等)での雨の実績をもとに、その平均値を表し
ているとのこと。
過去の経験則に基づくものとのこと。
だから「降水確率30%」というのは、「過去、同様の気象条件で天気予報した回数が
10回としたら、3回は1ミリ以上の雨が降り、7回は降らなかった」ということ。

だが「明日の東京は曇り。降水確率は30%」と予報されたら、30%の数値をどう評価
すればいいのか。過去10回の同様ケースで3回雨が降ったということは、「10回中7
回は降らなかったのだから、まあ、降らないな。傘はいらないだろう」と自己判断して外
出するのか、「なんだ、3回も降ったのか。明日のゴルフは雨にたたられそうだから、レ
イン・ウエアを用意していかなくては」と思うのか。
「気象庁は天気概況と降水確率を示すから、あとは自己責任で判断するように」というの
が、気象庁の主意でしょう。

天気予報は10%刻みで降水確率を出しています。が、私は細分し過ぎだと思います。
20%と50%だったら、50%のほうが雨の可能性は高く、降りそうな予測が立ちます
が、20%と30%だったら、どうでしょう。国民は10%の差を読み取れるのでしょう
か。
私には10%の差など誤差の範囲内で、せめて20%刻みにまとめたらと思いますが。
私は50%を、降る降らないを判断する分岐率と考えていますが(ある気象予報士は30
%以上だったら傘の準備をと言っていますが)果たしてどうでしょう。

そして、最近の天気予報を観ていて感じるのは、気象予報士が「明日は曇りマークとなっ
ていますが、ところにより雨が降ると思います」と、二段構えの予報が度々あること。
「それなら、雲のマークの下に、雨マークの小さな傘を入れておくべきではないか」と思
うのですが、予報士として自己の見識(個性)を出したいのと、万一雨が降った場合の保
険言葉になるからでは、と勘ぐりたくなります。

確率と言えば、大地震の発生確率もよくわかりません。
政府が発表した「2017年版・全国地震動発生予測地図」。
これによると「30年以内にM7クラスの首都直下地震が発生する確率は70%程度」と
のこと。
この70%の数字根拠がわかりません。何が分母で何が分子なのか。
2011年3月11日に発生した東日本大震災後に、この予測が発表された記憶がありま
すが、あれから7年経過しているので、当時からの認識では残り23年以内に発生する確
率が70%になっていることに。それとも、5年間何も起こらないと、また「今後30年
以内に・・・」と、同じ予測を発表するのでしょうか。少しいい加減な気がしますが。
そもそも30年とするのはなぜなのか。10年では駄目なのか。
40年以内に100%では切迫感に欠けるのか。
私は「首都圏で、近い将来にM7以上の大地震が発生する可能性が、非常に高い」で良いの
ではないかと思っているのですが。
どうもよくわかりません。
何事もわからずに、曖昧なまま過ぎて、何か起こったら「想定外だった」とつぶやくのが
賢明かもしれません。

今日から、3月。
今月、宝くじで高額賞金が当たる確率は?
これはわかります。
0%でしょう。

それでは良い週末を、良い3月を。