目 に 青 葉
|
今は新緑の季節、真っただ中。 表参道のケヤキ並木も、神宮外苑前のイチョウ並木も、まさに今年一番の新鮮な緑の葉に 彩られ、眩いばかり。 でも眩いのは、新緑からだけではありません。 私の目の衰えもあるでしょう。 具体的には両眼の視力の低下、老眼・乱視の進行。 最近、といっても冬の乾燥期から、目の疲れを強く感じるようになりました。 そこで、行きつけの眼科クリニックで受診。 視力検査、眼圧検査、眼底検査を行った後の診断は、ドライアイと加齢に伴う眼精疲労と のこと。 眼科としては、「目が疲れる」と訴えて受診するも、前述の検査結果から結膜炎とか白内 障・緑内障などの「疾病」を確認できない限り、とりあえず点眼薬を投与するだけ。 止むをえません。 勿論、内科や整形外科に「何となくだるくて、気力がわかない」「腰が痛い」と言って駆 けつけても、一応の血液検査やレントゲン検査をして、異常値がなければ、ビタミン剤と か貼り薬を処方して「来週また来てください。様子を見ましょう」で終わりですから、同 様でしょう。 「パソコンや読書の際は、時々休憩して目を休めること。ホット・アイマスクなどで目を 10分間ほど温めて疲れをとること」 そんなアドヴァイスを聞いて診察を終えました。 それで、処方された点眼薬を1か月朝晩さしてきたのですが、効果は全くなし。 そうしたことから、やはり結論は「ドライアイもさることながら、これはメガネが合わな くなってきたからだろう」と判断。 試しに現在使用中の近々(きんきん)両用メガネ(累進多焦点レンズ)で、片眼ずつ文庫 本の小さな文字を注視。 近々両用メガネ(累進多焦点レンズ)は、目元から1メートル程度範囲内の焦点距離。 単純な老眼鏡(単焦点レンズ)より焦点範囲が広く、読み書き・パソコンにはうってつけ。 何度も試してみると、両眼では何とか遜色なく見えた文字も、片眼で見ると左も右もやや ぼやけ、焦点が合わないことに気づきました。それも手元30センチほどの距離からずれる と、殆どぼやけて読み取れません。 次に、遠近両用メガネで、手元の文庫本の文字と遠方のカレンダーの文字を見つめると、 遠くも近くもぼやけて見えるのです。 遠近両用メガネは一昨年に、近々両用メガネは昨年に作り替えたばかりなのですが、視力 の衰えはここにきて早まっているのでしょう。 私が老眼鏡(今はリーディング・メガネとか)をかけるようになったのは、55歳の頃。 遠方の文字は良く見えるのに、手元の書類の文字がややぼやけて、読みずらくなってきた からです。 それでもメガネをかけるのが嫌だったので、目に力を入れて、仕事の書類を一日中読んだ り書いたりしていたのですが、目が疲れて頭痛がするようになり、やむなく眼鏡店へ。 そして、眼鏡店の店主に「老眼ですね」と言われ、遠近両用メガネを作ることに。 主に細かな文字を見るときだけが不自由だったので、単焦点の老眼鏡を作るつもりだった のですが、裸眼ではっきり見える遠方を見るときも、以前より目が疲れてしまうので、遠 近両用にしたのです。 遠近両用にしたのは、読書やパソコンなどの近視用のニードもさることながら、広い会議 場での会議を行うときに、資料に目を通したりメモを取ったりしながら、遠く離れた人と の会話をするとき、いちいちメガネを取り外しする必要がなく、便利だったから。 従って、デスクワークとか会議以外は、常に外していました。 ゴルフや野球のプレイをするときは勿論、、電車の乗降などが伴う外出の際でも、全く不 使用でした。 その7年後に、度数が合わなくなって不自由をきたすようになり、遠近両用レンズを矯正 して取り換え、さらにその6〜7年後(68〜69歳の時)には、遠近両用レンズの矯正、そ して近々両用メガネを新たに作り、今日に至ったのです。 しかし、メガネがたった1〜2年で不具合になるとは、まさに想定外でした。 今までの経験から、レンズの度数を矯正したら5年間ほどは使用可能と考えていたのです が、目の機能の低下スピードは、それまでの等差級数から等比級数に変わってきたようで、 少しショックでした。 結論は、先週・今週と立て続けに、大手町にある馴染みの「富士メガネ」を訪れ、それぞ れ1時間ほど時間をかけて検眼を行い、新たに中近両用メガネを作り、さらに遠近両用メ ガネのレンズ交換をしたということ、なのです。 中近両用は文字どおり、近と遠の中間の累進多焦点メガネ。離れたテレビを観るのにちょ うどよい焦点距離。 これで、遠・中・近のメガネ3本セットが揃いました。 それぞれ一つ6万円ほどの料金。これはレンズ料・技術料。 フレームは今までのメガネのそれを再使用しているので、数万円安くなっているのです。 それでも6万円。 これが安いか高いかは相対的な判断しか出来ません。 フレームだけでも20〜30万円はゆうにするメガネはたくさんあります。 また、いま躍進中の「zoff」という眼鏡店で作れば、フレーム・レンズ全て込みで1万円 〜2万円程度で作れるでしょう。 しかし、です。 前文には記していませんが、私も1度「zoff」で老眼鏡を作りましたが、やはり違うのです。 使い勝手が・・・。 さらに歯科との比較では(歯と目では多いに違うが)、インプラント処置を1本するだけで 50万円以上かかります。インプラントの耐用年数も無限ではありません。 歯も重要ですが、目も極めて重要。 どちらも、不断の手入れが第一。カネには代えられません。 時は、薫風に若葉がそよぐ、爽やかな季節に。 「目には青葉、山ほととぎす、初がつお」 遠近両用メガネをかけて、新緑の街に飛び出すことにしましょう。 それでは良い週末を。良いゴールデン・ウイークを。 |