2020年の一年に
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ラジオから、ユーミン(松任谷由美)の歌「ノーサイド」が流れている。 ノーサイドとは、ラグビーでの試合終了のこと。 キッカーは目を閉じて 枯れたグランドの芝生の匂いを 深く吸った。だが長いリーグ戦を 締めくくるキックは、ゴールをそれて、ノーサイドの笛の音が鳴った・・。 いま、黄昏のクリスマスイヴで賑わう街をぬい、裏道を西に向かって歩いて帰ってきた。 逆光に眩い夕日に右手をかざすと、指呼の間に明日が見える。あと1週間ほどで新しい年が 来る。 その指呼の間に、ラグビーのボールをキックする準備をする。ゴールをそれてもいい。 狙う気持ちが大事なのだ。 肝心なのは「何をゴールに決めて」進むかなのだ。 私はそんな気持ちから毎年、自分なりのささやかなスローガン(行動目標の概念)を心に決 めて、新年を迎える。 そして毎年、クリスマスイヴから大晦日までの期間に、一人で喫茶店の窓辺に座り、一年を 振り返る。 殆ど毎年、ボールはゴールをそれていった。 気が付けば72年が過ぎた。 それでも懲りずに、今年も行きつけの喫茶店の隅で来年のスローガンを考え、ナプキンにつ らつらと思い浮かぶ言葉を羅列した。 来年こそゴールキックを決めよう、と思いながら・・・・。 以下のように。 明るい一年に 勇んだ一年に 嬉しい一年に 笑顔の一年に 穏やかな一年に 感動する一年に 希望にあふれた一年に 悔いのない一年に 健康な一年に 心温まる一年に 咲き誇る一年に 幸せな一年に 素敵な一年に 誠実な一年に 爽快な一年に 楽しい一年に 調和のある一年に つつがない一年に 天真爛漫な一年に 尊い一年に なごやかな一年に にこやかな一年に ぬくもりのある一年に 念じる一年に のどかな一年に 晴れやかな一年に 人にやさしい一年に 深い愛の一年に 平和な一年に 朗らかな一年に 真っ当な一年に 身軽な一年に 夢中になる一年に 明朗な一年に もっと頑張る一年に やる気を出す一年に 愉快な一年に 喜び溢れる一年に 楽天的な一年に 凛とした一年に 類(るい)に触れる一年に 礼節のある一年に ロマンチックな一年に 笑いが多い一年に 恩を忘れない一年に ん〜と納得出来る一年に ちなみに、ユーミンの「ノーサイド」の歌詞は、昭和58年(1983年)の「全国高等学 校ラグビー大会」の決勝戦(我が母校の天理対大分舞鶴)がモデル。ロスタイム(規定の試 合時間が過ぎている)に大分舞鶴が奇跡のトライを挙げ、同点優勝のゴール・キックをした が、惜しくも外れ、18−16の僅差で天理が優勝した。 この試合は「伝説の一戦」としてラグビーフアンの記憶に残っている。 今年はこれで、ノーサイド。 それでは、良い年末、良い新年を。 |