ここに幸あり
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今日は2020年12月10日。 大安、一粒万倍日。 今年も残すは3週間。 例年だと、街はクリスマスだ、歳末大売り出しだと賑わっている時期ですが、今年は「コ ロナ自粛」で、どこも活気がありません。 行き交う人はマスク顔で表情は乏しく、車中や店内では一様にスマホ、スマホ。 私も、忘年会だ、年賀状の準備だという気ぜわしさはなく、また、そうした気分にもなれ ず。 私の今までの73年間の人生の中で、今年ほど「無彩色」で「無味無臭」の年はありませ んでした。 スマホの呼出音で画面を見ると、LINEなどからの「Go T0〜キャンペーン」 ばかり。 テレビを見るとどのチャンネルも、バラエテイ番組ばかり。 お笑いタレントが馬鹿なことを言って、内容は一様に食い物、旅行、クイズばかり。 そして新型コロナ関連になると、テレビ局御用達のいつもの学者(といえるか?)や門外 漢のタレントがコメンテーターで、ワンパターンの会話ばかり。 ニュースを見ると、国会では内閣の通り一片の答弁ばかり。 菅首相は、野党の質問に対し「答弁は控えさせていただく」「私が答えるべきじゃない」 「答える立場にない」ばかり。 国会は自由闊達な審議の場であり、そうであってこその議会制民主主義なのに、安倍前首 相時代より酷い対応。 与党の中から、一人ぐらい「総理、国民に丁寧にわかりやすく答弁されたらいかがか」と 内部でご注進する議員がいてもおかしくはないのに、みなだんまりの様子。 全く独裁・専横的な政治体制になってしまった。 それでいて政府の新型コロナ対策分科会の尾身会長が「Go Toトラベルを含めて、人々の 動きと接触を短期間で集中的に減らすことが、今こそ重要」と危機感をつのらせて答弁し ているにもかかわらず、首相は「エヴィデンスがない」、加藤官房長官は「感染防止を徹 底したうえで、トラベル事業の適切な運用を図ってまいりたい」で、しらッとし、国会は 閉会に。 感染症対策にど素人な政治家が、専門家の意見に耳を傾けずして、自分らにいいように政 治を動かし、マスコミも無批判に大本営発表を流すだけとしたら、全く救いようがない。 これが現在の日本の状況。寒々としてきます。 そうして今年ももうすぐ終わり。また新たな年がやってきます。 果たして明日に希望を託せるのか。 日本には「はやぶさ2」のような快挙は、もう生まれないのか。 私は、来年から日本の混迷・混乱・衰退が加速的に進み、極めて不安で厳しい政治・経済 ・社会状況に陥るような気がしてなりません。 一般国民が、この無関心・無気力で全体主義がまかり通る風潮や、あらゆる分野での格差 拡大、それに「利己主義」優先の分断社会の進行に対し、どの様な意識と行動を示すのか が問われる、戦後最も重大な年になることだけは、間違いないでしょう。 来年の今頃、「今年は、良かったね!」とお互いに微笑み合えるよう、人生最大の希望を 託すのみです。 「♪嵐も吹けば 雨も降る 女(人生)の道よ なぜけわし きみを頼りに私は生きる ここに幸あり 青い空」(歌・大津美子) さて、今年のエッセイはこれで締めます。 この1年間、本当にありがとうございました。 それではどうか良い新年を、良い人生を! |