ブレックファースト |
今日の朝食も、いつものメニュー。 この1年間、全く同じ。 その内容は、後で述べるとして。 60歳のころから73歳の去年の4月末までは、南青山の個人事務所に毎日通っていたの で、家では朝食を摂らず、事務所に向かう途中の三軒茶屋か、降車駅の青山1丁目駅周辺 の喫茶店で「モーニング」を摂っていた。 時間はほぼ朝の9時半ごろ。 珈琲のホット、厚切りバタートースト一枚、薄切りのハム(ベーコン)と目玉焼き(また はゆで卵)、それに添え付けの野菜サラダ。 どこの店もこんなメニューだった。それで料金は500円未満。 喫茶店は幾つもあったが、私は比較的に広く、新聞の朝刊がおいてある、ゆったりと座れ る店を好んだ(注・新聞を定期購読していないので、今なら朝刊1紙読むと160円浮く。 したがってモーニング料金は実質350円ほど) 朝は、どの店も客がまばらで(注・ドトールなどの多店舗展開のチエーン店は入らなかっ た)わずかなサラリーマン風の客たちも、淹れたての熱い珈琲を10分ほどで飲み、さっ と席を立っていく。 人も店も社会も、新たな動きを始めだす時。 そんな朝のひととき。話し声も聞こえない、まだ空気のよどみも感じない静かな店内で、 その日の最初の食べ物として口に入れる温かな珈琲は、実に美味かった。 振り返ってみると、勤労者としてアリのように毎日定まった時間に黙々(?)と通勤して いた時代は、朝食抜きの毎日だった。 厳密には、27歳で結婚し、長男が生まれた30歳を超えたころから、ずっと朝食抜きの 毎日になった。 毎朝ぎりぎりに起き、慌ただしく家を飛び出していくので、朝食を摂る時間がなかったか らだ。いや、それは建て前で、ほぼ毎晩遅くまで飲んでいたから、翌朝の起き抜けには食 欲が全くなかった、というのが実情。 30歳で係長になってから、仕事が俄然面白く、また忙しくなり、退庁後は付き合いや接 待などの外食が毎晩のようにあった。そして朝食抜きの生活が当たり前になった。 だが生理的には、それが合っていたと思う。 夜中の就寝後から昼食前までの時間、胃腸を休めることができていたからだ。 毎日、午前11時を過ぎてくると昼食が待ち遠しくなり、12時ジャストになると(後年、 職場によって11時半になると)昼食に飛び出した。庁舎の職員食堂ではなく、ほとんど 外食。内幸町・虎ノ門・日比谷・有楽町などに出向き、その日その日で店を変えていた。 そして、何を食べても美味かった(注・例えば中華では野菜味噌ラーメンの大盛に、餃子 一人前。寿司なら1.5人前にビール中瓶1本とか) 体重は現役の頃、前述の30代から50代までは、常に62~65キロだった。 野球やゴルフやジョギングを盛んにやっていた時期は、飲食の量はさらに増えて、大いに 飲み大いに食べていたが、運動量も結構あったので、体重はさほど変わらなかった。 その人の適正体重を図る指数として、BMI(body mass index)がある。 「体重(kg)を身長(メートル)の2乗で割った数値」が22であることが、「もっと も病気にかかりにくい標準体重」とされているが、私はいつも「63kg÷(1.7×1.7) =21.8」程度だった。 だが、現在は体重55kg。 BMIは、19。 日本肥満学会による判定基準によると、「18.5未満は低体重(やせ)。 18.5~25未満は普通体重。25以上は肥満(1度から4度まで)」となる。 現在の私はぎりぎり普通体重だが、まあ、やせ型に近い。 だが、この算式から導き出される数値には、筋肉量とか脂肪量、骨密度などが加味されて いない。体脂肪率を知ることも重要。 BMIの数値が高い(肥満)と、糖尿病・高血圧・脂質異常症(動脈硬化の主因)・心筋 梗塞・変形性膝関節症などを引き起こしやすくなるが、低い(やせ)と、筋力低下から転 倒や寝たきりの原因となりやすい、といわれている。 だが、私の認識不足かも知れないが、この数値には年齢(加齢)が加味されていない。 あと2週間ほどで75歳になる現在でも、BMIは中年の頃の数値だった22、体重は 63kgが適切なのだろうか? 脊柱管が狭窄しない限り身長は若い頃とさして変わらないが、あわせて体重も当時と不変 のほうが、心身の健康保持には良好なのだろうか? 今の自分には、あと8kg増やすことが理想なのか? 心身の活動に要するエネルギー消費量は、加齢とともに少なくなっていくだろうに、カロ リー摂取量は若年・中年時代と同等にとる必要があるのだろうか? 若い頃と同量の食料をせっせと摂取しながら、過剰なカロリーは一生懸命に運動して消費 しろ、ということなのか・・・。 中には「問題は何を食べるかだよ。炭水化物・糖質は極力控え、タンパク質をしっかりと ること。高齢者こそ牛肉のステーキなどをモリモリ食べ、運動して筋肉を貯蓄することだ よ」などと、テレビや雑誌で書いてあることを訳知り顔で語る人も少なくないが、「朝か ら晩まで身体を動かして労働したりしているわけではなく、食欲がないのに、筋力をつけ るため、ボケ防止を防ぐためにと、頑張って食べるのも、なんかおかしくはないか?かえ って胃腸や心臓や腎臓や肝臓に負担をかけ、体調を崩してしまうのではないか?」と切り 返したくなるが、いわんとすることはわかるので、うんうんと頷いているが。 最初の話に戻り。 長年の「朝食抜き」「モーニング珈琲が主」の生活が昨年の春、個人事務所を閉じた時点 まで続きました。 そしてその後、私にとっては今までの人生で最適・最強(?)の朝食を摂る毎日が続いて いるのです。 この続きは、次回にでも。 それでは良い週末を。 |