東井朝仁 随想録
「良い週末を」

夏がゆく(2)

今日は8月3日(木)。
東京は3日ぶりの猛暑日。
東京の7月の猛暑日は13日と過去最多を記録。
とにかく今年の夏は暑い。以前にも述べたが、来年以降の夏も同様だろう。
仕方がない。自然には勝てない。
しかし、少しでも猛暑や大雨洪水禍を防御する工夫をしないと、生活の質は低下するし、
そもそも生きてはいけなくなる。
生活上の工夫、地域での協力、国や都道府県・市による防災のインフラ整備等。

根本は地球温暖化のエスカレートを食い止めること。
「温室効果ガス」である二酸化炭素などの排出量を減らしていくこと。これらのガスは地
球の保温に効果があるが、大気中のガスの濃度が増えて行くと、太陽光で温められた地球
の熱は宇宙へ放散されずに閉じ込められ、結果、気温は上昇するとのこと。とんでもない
「温室効果」をきたすのだ。まさに温室から「サウナ室」へ移行させる効果だ。

しかし、二酸化炭素などの排出要因となる、石油や石炭や天然ガスなどの化学燃料の使用
を抑制すれば良いのだが、これは世界中の国々が協力しないと、効果がない。
電気などの高値のエネルギーより、化学燃料を使ったほうが安くて確保しやすい国がまだ
まだ多い。大国でもそうだ。クリーンなエネルギーとして原子力発電の活用も叫ばれてい
るが、「核」の問題の取り扱いで賛否が分かれる。
地球温暖化問題は今に始まったことではない。もう随分前から国連や有識者会議等で叫ば
れてきているが、一朝一夕には進まない。核ミサイルは発射ボタンを押せば一発ですぐに
標的全体を消滅させられるが、人と人、国と国の努力でこれを回避させることも可能なは
ず。
だが、核ミサイルを保有すること、アメリカの核の傘に入っていることこそ「国を守る力」
という理論が、まかり通る世界になってしまった。
「理想論より現実論」優先なのだ。

今日の世界情勢の招来など、日本国憲法を制定した当時から十分に想定していた筈。だが
「何か日本にやばいことが起こったら、その時に早急に憲法改正をすればいい。敗戦国と
して、今は平和的に綺麗ごとを述べておいたほうが良い。事が起きるまでは」という思い
を、国の中枢は心に秘めていたのだろう。戦後、どれほど義務教育の社会科で先生方が
「平和憲法」の説明を熱心にしてきても、国の根幹では徐々に「自衛」の解釈を拡充して
きたのだ。
それが今、ロシアのウクライナ侵略や中国の台湾併合の気配から、一気に現実論が先行し
た。
「武器が乏しければ日本もすぐにやられる。台湾が侵略されたら日本もアメリカと一緒に
戦わねばならない。話し合いによる平和外交など、理想論。日本も早急に軍事力を増強し
ないと、中国や北朝鮮やロシアにやられる」と。
この様なことを可能にすることしか、今の日本には出来ないことなのだろうか。軍拡競争
が人類の進歩なのか。
浅学の私にはわからない。

自然の力に対しては、人類の英知を結集しても、どれほど軍事力を拡充しても、かなわな
い。地球温暖化を阻止するのも大変困難なことだろう。
地球が誕生して約45億年たつと言われている。
私たちが学ぶ世界の歴史など、西暦でたかだか2020年ほどしかない。
この間に、人と人、民族と民族、そして国と国が戦って、世界地図を変えてきた。そして
今も世界中で武力戦争(ロシアのウクライナ侵略)や、民族紛争、クーデターが起こって
おり、国家の分断が進んでいる。
だが宇宙は、「人間の寿命など瞬きほどの一瞬しかないというのに、世界中が目先の我欲
と生き残りをかけて争っている。地球人は馬鹿なことだ。そろそろ地球も消滅するのに」
と思っているかも知れない。そして「せめて地球人が心を一つにして生きる努力をする姿
を見たいものだ」と、最後のチャンスとして地球をヒート・アップさせているのかも知れ
ない。

そんなことを、昨日の満月の夜空を見上げながら想像していました。
この続きは次回にでも。

それでは良い週末を。