28年前の特別寄稿(骨髄バンク)
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2023/11/27HP表紙写真に「骨髄バンクの今後の課題」を語り合った座談会の写 真を掲載しました。 これは中日新聞本社が企画して開催されたもので、1993年(平成5年)4月5日の中 日新聞朝刊に「愛と善意の提供で発展を」との大見出しで、1頁全面を使って内容が詳し く記載されています。 残念ながら、これをスキャンしてHPに載せるのは無理なので、4人の出席者の話の重点 が太字の中見出しとなっているので、その見出し文の紹介により座談会の内容を推察いた だくと共に、うしろに、当時の経験を語った寄稿文を転載していますので、「骨髄バンク の言葉は聞いたことがあるが、殆ど知らない」と言う方々のイメージ・アップにつながる ことを、期待しています。 ●「骨髄(造血幹細胞)移植」とは、白血病などの治療の困難な血液疾患の患者に、提供 を希望する健康な人(ドナー)から骨髄液を採取し、それを無菌室に入院中の患者に、輸 血のように点滴で注入(移植)するという、血液難病の有効な治療法。 「骨髄バンク」とは、骨髄移植の推進を図るためのドナー募集の普及啓発・広報や、関係 者間すべての連絡・調整(コーディネート)等を行う体系で、日本骨髄バンク(公益財団 法人)を主体とし、日本赤十字社や関係医療機関並びに国や都道府県やボランティア団体 等との組織連携で形成されている。 アンダーラインの部分が、見出しです。 〇座長の高久史麿氏(当時は国立病院医療センター院長。骨髄移植推進財団『日本骨髄バ ンク』の副理事長。その後、日本医学会会長)→「10万人で90%適合」 (10万人のドナー(骨髄液提供者)がいれば、非血縁者間の移植でも、計算上90% ぐらいの患者にHLA(白血球の型)が合ったドナーが見つかる。公的骨髄バンクの急 務は全国的なドナー登録の推進にある) 〇森島泰雄氏(当時は名鉄病院内科部長。公的骨髄バンク発足の礎ともいえる平成元年発 足の東海骨髄バンクの運営委員長)→「専任調整員養成へ」 (現在は、移植医がドナーと患者の橋渡しをするコーディネーター(調整委員)を務め ているが、パンク寸前。専任のコーディネーターの養成が急務) 〇大谷貴子氏(当時は東海骨髄バンク理事。財団・普及広報委員会副委員長。 母親から血縁者間骨髄移植を受けて完治した移植経験者)→「各県にPR団体を」 (骨髄移植の普及に関する民間団体(ボランティア団体)は全国に20ほどあるが、こ うした団体組織を全都道府県に設置し、地域のボランティア団体と行政が連携して、ド ナー登録の推進を図ることが大切) 〇東井(当時の厚生省疾病対策課の担当課長補佐)→「ドナー休暇をぜひ」 (移植希望患者とHLA型が一致した場合、コーディネーターや調整医師による本人の 提供意思と家族の気持・採取日程確認などのあと、ドナーは、術前健診で1~2時間、 採取準備の通院で1~3日、そして骨髄採取(入院)で約4日間ほどの所要時間を費や すことになる。 したがって、個人営業者や会社勤務者などがドナーになるには、安心して休める環境を 保障してあげる制度の確立が必須。そのため、まずドナーとしての所要時間を「病気休 暇・有給休暇」で取得するのではなく「特別休暇」として、ドナー支援を図るべき) ※ちなみに、国家公務員については、人事院や国会等への働きかけで、急転直下、法令の 一部改正が行われ、1993年4月1日から「国家公務員のドナー特別休暇制度」がスタ ートした。 次に、骨髄バンク推進事業について記した私の寄稿文が、1996年(平成8年)1月 15日に発刊された、全国協議会(注・現在は「特定非営利活動法人・全国骨髄バンク推 進連絡協議会」)の情報誌「骨髄バンク」に掲載されているので、ここに転載します。 少しでも骨髄バンクに、関心とご協力を寄せていただけたら幸いです。 (アンダーラインの言葉は、現在、私が全国協議会の「名だけの顧問」をしている立場か らお願いする次第です。顧問は他に、元東芝社長・岡村氏、元早稲田大学総長・鎌田氏、 元法務大臣・岩城氏などがおられる) それでは良い週末を。 ![]() |