東井朝仁 随想録
「良い週末を」

哀愁(1)

今日は10月24日(木)
現在の時刻は午後3時15分。
天気は曇りで、私の二階の室内温度は28度。
蒸し暑い。
昼のテレビの天気予報では「今日は多くのところで夏日(気温25度以上)。
9月並みの気温となっています」とのこと。
今までこの欄でも私が呟いてきた(ぼやいてきた)ように、「これからは3月から9月ま
でが夏で、10月は残暑がある初秋。そしてごく短い秋の日が訪れたら、今度は急な寒波
到来で一気に冬になるのでは。したがって従来の日本の季節区分は、もう通じない」のだ。

今日は午前中、ドアの開閉の不具合を修理し、汗を拭きふき、午後1時予約の近くのゴル
フ練習場に行き、1時間、球を打ってきた。
室内は冷房が効いていたが、半袖のポロシャツ一枚でクラブを振っていると、額に汗が滲
んで来る。
今夏は、青色の半袖のポロシャツかTシャツを着ることが多かった。
どういう心理状況から青色系に好みが傾斜しているのかはわからない。
それまではと言うか、数年前までは赤系統ばかりだった。赤いネクタイ、赤い靴下、赤い
ハンカチ、ピンクのシャツ、臙脂(えんじ)のセーター。
赤い色は心を奮い立たせるものがある。だからか、一時は大物代議士の多くが赤いネクタ
イをしていた(私は、自分の事を棚に上げて、彼らの赤いネクタイ姿を「田舎者、成り上
がり根性」と軽侮していたが。とにかく似合わないのだ)
私の場合も、自己満足的に「自分に似合う」と納得していたから、常に赤いネクタイなど
をしていたのだが。
やはり、積極的・活動的な精神状態の時は、ダーク系より鮮やかな原色系に目が行ってい
た。赤系統の服や小物は、それだけで心が自然に晴れやかになってくる。
それが現在は余り赤色に興味がない。
だが、原色系は好きだ。赤以外に、爽やかな青、黄、緑の色が。
そのように好みが変化してきたのは、70歳前頃からだろう。
前述のように、青色に移ってきたのだ。

その要因は、自分を取り巻く社会的環境や家庭的環境の変化と、加齢による心身の変化に
あるのだろう。
こういう表現が適切かどうかはわからないが、「現在の心身は、器質的には問題が無いの
だが機能的に衰えてきた」ことは事実だ。
機能的とは国語辞典にもあるように「それぞれが活動能力を有効に発揮するさま」
65歳頃までは「自分の年齢や心身の衰え」など、全く考えたことが無かったし、痛感し
たこともなかった。
それから10年が経っている。
今夏から、まさに10年ぶりに再開したゴルフの練習でも、ドライバーで200ヤードは
楽に超えていたのが、今ではどうやっても(注・まだ数か月だが)180ヤードを越える
ことが出来ない。
だからか。確かに現在は赤色より青色の方が心と身体にしっくり馴染むのだ。

午後2時に退場。帰りは隣にある「ブック・オフ」(注・古本や中古DVD・CDなどの
販売店)で、DVDの「シカゴ」(注・第75回アカデミー賞で、最優秀作品賞など6部
門受賞)と「父親たちの星条旗」(注・私の好きなクリント・イーストウッド監督作)を、
各500円で買い、さらに隣店の「カフェ・ヴェローチエ」で280円(だったか?)の
珈琲を飲み(注・半分残す)、スマホで音楽を聴きながら自律神経と肉体のクールダウン
を図る。
運動後でなければ、コンビニで買った新聞に目を通すのだが、どういうわけか、身体が疲
弊した時の全国紙は、読む気がしない。
目を閉じ、静かに音楽に耳を委ねていれば、心は安らかに大地から大気に向かって無限に
広がっていく。ささやかな至福の時。

先ほどまで脳内に流れていたのは、アンデイ・ウイリアムスの「ムーン・リバー」「夏の
日の恋」「慕情」。
なぜこの曲なのか。それは、歌手の名前のあいうえお順に曲名を登録してあるから。Andy
は一番初めに出てくる。ただそれだけのことだが、アンデイの歌声は最高だ。
閑話休題。
久し振りにエッセイを書き始めたが、話が散漫になってきたので、次の一言を述べて今回
の話を区切ります。

今月27日に衆議院議員の総選挙がある。
各政党ともに、政治改革・経済政策・社会保障・外交・安全保障などを主要スローガンに
上げて戦っているが、結局、聞こえてくるのは「減税する」「低所得者に給付金を出す」
「地方への交付金を増やす」「公共料金への補助金を継続する」「児童手当を大幅に拡充
する」「教育費を無償化する」「給食費を無償化する」「〇〇給付金を出す」等々、とり
あえず「財源」の話はせずに、国民にとっておいしい「バラマキ政策」を声高に叫んでい
る。
我が国は借金大国で、国家財政が厳しい状況が続いているが、多くの候補者にとっては
「今さえ良ければ、当選さえできればなんでもあり」とばかりに、国民が食いつきやすい
スローガンを並べているのだろう。
この財源は「国債」で賄い、国の借金がますます増嵩し、結局、そのツケを今の国民が将
来にわたって税金や負担金の形で払っていく羽目になるというのに。はてさて・・・。

私が今回の総選挙に関心がある点は、1点。
それは「いずれ、どの政党が『臨戦準備内閣』を構成するのか。そしてどの政党が『挙国
一致内閣』『戦時体制内閣』を組閣していくのか」ということなのです。
給付金も減税も夫婦別姓問題もエトセトラも大切。
しかし、今回の総選挙の最大の争点は、それらの数倍の重さで「今の日本の安全と安心を
守るための、根本的・具体的政策」にあるはずだ、と私は強く確信しているのですが。

それでは良い週末を。