| 老後の不安の要素・3K?(1)
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| 内閣府が令和6年8月に実施した「国民生活に関する世論調査」(注・全国の18歳以上 の国民を対象にした標本調査)を見ると、現在の生活や今後の生活に関する国民の意識が 読み取れる。 その中で私が興味を持ったのは、次の調査結果だ。 まず「日頃の生活の中で、悩みや不安を感じているか」との問いに、「感じている」と回 答した者が78.2%と、約5人に4人が不安を感じていること。 その悩みや不安の内容を問うと、複数回答の上位は「自分の健康について」が63.8%、 「老後の生活設計について」が62.8%、「今後の収入や資産の見通しについて」が 58%、「家族の健康について」が50.1%であり、過半数の人が健康とお金(収入や資 産)に関してだった。 なぜこの様な調査結果を述べたかというと、かねがね私が予測していたことが、公的なデ ータで確認できたからだった。 要するに「多くの国民の老後(将来)の心配は、つまるところ3つのKにある。それはカ ネ(生活費)の不安、自分の健康の不安、そして孤独の不安」と言うこと。 ただし、この調査結果では「家族・親族間や職場・地域での人間関係」を悩みや不安に上 げた者は16%ほどだったが、これは「孤独の悩みや不安」に帰結する者もいるだろうが、 直結する回答ではない。 全体で16%という率を低いとみるか、それとも6人に1人は多い数だと解釈するかだが、 人間関係という広い概念をそのまま孤独と結びつけるのは乱暴なので、このデータは無関 係だろう。 そこで、令和4年に内閣官房孤独・孤立対策担当室が実施した「孤独・孤立の実態把握に 関する全国調査」(注・全国の16歳以上の個人2万人を対象)を見ると。 「孤独感が常にある・時々ある・たまにある」と回答した者が約40%、 「ほとんどない・決してない」が約60%だった。 これを年代別にみると、「ある」と回答した世代は、20代の47.9%、30代の 45.9%に対し、60代は37.9%、70代は31.2%だった。 相対的に若者層のほうが高齢者層より高率だったのは、ちょっと意外だった(メンタル面 とか色々あるだろう) だからといって「老後の不安は、カネと健康と孤独だ」の、孤独は的外れとは、私は思わ ない。 そのあたりは後日に述べるとして 。 今回はカネ(金・所得・資産)について、たわいのない私の話を述べるのが趣旨。 今日(10月9日)の地金(キン)の1g当たりの店頭小売価格は、21,805円だっ た。 この数字を見て「ああそう。だからどうしたの?」と思った人は、太っ腹な人か、少し世 事に疎い人だろうか。 今、この金(ゴールド)の価格が高騰している。 例えば、1か月前の1g価格は19,027円。たった1か月で1g2,778円も値上が りしたのだ。半年前の4月9日は15,405円だった。半年で6,400円も上がった。 ちなみに去年10月平均では、1g12,978円。一昨年10月平均では9,246円。そ して5年前の2020年10月平均は6,487円だった。 たった5年間で15,318円、3.36倍も上がったのだ。 例えば5年前に「インフレ時代に現金を預金していても、毎月のように価値が目減りして いく。この物価高で先行き不明な時代、ある日、紙幣の価値など紙切れ同然のインフレ恐 慌になるやもしれない。 だから、有事の金と判断し、例え少ない自己資金といえど、その半分か、3分の1でも金 に換えておいたほうが良い」、と判断した人は正解だった。 例えば当時、100万円の貯金を金に換えておいた人は、いま売却すれば3倍以上になっ て戻ってくる。10万円でも1000万円でもしかり。 その人の身の丈にあった購入をしておけば、何もしなくても確実に価値が上がっていった のだ。 だが、このトレンドがいつまで続くかは、わからない。 実は、私は40歳の頃から、毎月一定額の積み立て金貯蓄をしてきた。 ほんのささやかな額だが、銀行口座から自動的に一定額が引き落とされ、地金が購買され ていく。例えば月1万円としたら、その金額で時価1g1000円だったら10gの金が 積み立てされていくという仕組み。 今日の価格だと0.458gしか買えない。 高い時には少しだけしか購入できず、安い時には多く金が購入できるという仕組みなので、 全体のバランスがとれていて安心感がある。 今まで、節目節目に積立量の何分の一かを売却しながら、自己の趣味等に当ててきた。 だが私は、単なるマネー・ゲーム、利殖だけが目的でやって来たわけではない。積み立て た地金を現物として引き出したり、店頭で純金のアクセサリーなどと等価交換もできる。 したがって、いざとなったらネックレスや置物に替えてしまうかもしれない。 こうしたことから、年金収入だけの現在でも、淡々と金貯蓄の自動引き落としを続けてい るのです。 これが「老後の不安・3K」のうちの、カネに関する私の対応の一つなのです。 この続きは、次回にでも。 それでは良い週末を。 |