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東井悠友林

   ~我が家のコーヒー事情~
      
 (公財)水道技術研究センター事務局長
(元厚生労働省東海北陸厚生局健康福祉部長)
       北 富 雄
 
  
 最近、コーヒーの味にこだわる人が増えているそうです。
  無趣味(何をやっても長続きしない)で、飲食にもほとんど嗜好のない私ですが、コーヒーだけは、若い頃から毎日2~3杯飲み続けてきました。
 仕事の合間や休日に、街中や街はずれの喫茶店でおいしいコーヒーに出会うと、それだけで「今日はラッキー!」とうれしい気分になっていました(50代半ばで禁煙するまでは、タバコも一服でしたが。
 「おいしいコーヒーが飲みたいなあ・・」
 3年前、散歩中の妻とのそんな会話をきっかけに、それまでインスタントコーヒーを飲んでいた我が家でも、おいしいコーヒーづくりが始まりました。
 まずは、散歩の途中にあったチェーン店「珈琲館」で飲んだコーヒーがおいしいと意見が合い、そこの焙煎した豆200gを買って帰り、早速、家にあった古い手挽きコーヒーミルで挽いて飲んでみました。だが、店で飲んだほどにはおいしく感じません。次の機会に種類を変えて買った豆でも、代わり映えしません。
 次に、近く(自宅はさいたま市北区にあります)のショッピングモール「ステラタウン」の一角にあるショップの豆を何種類か試しましたが、おいしいと感じるコーヒーはできませんでした。
 そこで、挽き方・淹れ方を変えてみることにし、手挽きコーヒーミル、ドリッパー、ろ過フィルターを新調してみました。しかし、それほどの効果はあらわれません。
 あれこれしているうちに、家から3キロほどのところにあるコーヒー豆の専門店「南回帰線」を見つけました。この店は、大宮氷川神社の一の鳥居から参道を歩いて3百メートルほどの交差点の角にあります(約2キロの参道は日本一長いと言われています)
 ここには10種類ほどの豆を、ハイロースト、シティロースト、フレンチローストで焙煎したものが用意されていました。焙煎にもいろいろな種類(煎る時間)があることを初めて知りました。そこで、ブラジル産豆シティロースト200gを買いました。このコーヒーは及第点で、今まで試したものよりは数段おいしく感じました。
 しかし、まだ何かもの足りない。インターネットで調べてみました。いろんな情報が溢れているので実践するのも大変です。お湯の温度と量により味が大きく変化するというので、温度計と測量カップを、注ぎ方が大事というのでドリップポットを、ドリッパーとろ過フィルターを数種類、ミネラルウォーターを数種類、密閉型の保存容器を数個買い揃えました。そして、焙煎の種類をかえながら、モカ、コロンビア、ホンジュラス・・・etc.と十数種の豆を試しました。
 足掛け3年?4年?の努力の結果でしょうか、ここ最近になって、概ね合格点にたどり着いたのかなというのが、妻と私の一致した意見です。
 今では、2、3週間に一度、片道3キロほどの散歩がてらコーヒー豆の買出しに出かけ、休日の朝と午後3時に「お店のコーヒーよりもずっとおいしいよね」と自己満足に浸りながら“我が家のコーヒー”の味を楽しんでいます。
 しかし、コーヒーづくりも奥が深いですね。実のところ、やればやるほどに本当においしいのかどうか分からなくなってきました。味覚の衰えかもしれませんが・・・。

 役所(最後は名古屋に単身赴任していました)を定年退職して6年経過、今年67歳になりました。歳には勝てぬとはこういうことでしょうか。最近、いろんな病気が現れてきました。3年前、テレビを見ていて突然、眩暈症になり三日間寝込みました。一昨年は、右足の神経痛で約一ヶ月間グリーン車通勤しました。昨年は、前立腺肥大で前立腺がんの疑いとの診断結果が出て三日間の入院検査をしました。同時期に胸のあたりに痛みが出たので検査したところピロリ菌由来の慢性胃炎との診断結果。その後、ピロリ菌除去の服薬を行いました。コーヒーを飲めない期間が三ヶ月ほど続きました。今も前立腺肥大の治療薬と胃の漢方薬を服薬中です。刺激物はあまり良くないとのこと。コーヒーの量を控え目にしています。
 我が家のおいしいコーヒーづくりはこれからも続けるつもりですが、健康でないと、おいしいコーヒーを飲めません。健康づくりも始めなくては!