日米の大学生らが相互理解を深めるため交流、議論する「第63回日米学生会議」
(7月28日∼8月21日)に向けた研修会が29日、広島市で開かれ、国内各地からの
参加学生42人が戦争や原爆投下について学んだ。
会議は毎回、両国の学生らが約1か月間にわたって交流しながら、様々なテーマで
学習。今回は東京など国内で予定されており、研修会には広島市立大など県内の13
人も参加した。
同大学の水本和実教授が「国際社会におけるヒロシマの存在意義」と題して講演し、
海外の学生と原爆投下を 話し合う際は「核兵器の非人道性と、(投下による)太平
洋戦争の終結を異なる問題として議論すべきだ」と指摘。続いて、国連訓練調査研
究所アジア太平洋地 域事務所(広島市)のアレクサンダー・メヒヤ所長が「広島は、
被爆しても復讐(ふくしゅう)ではなく平和再建の道を選んだ特別な場所だ」と語
った。
学生らは講義内容をもとに意見交換。「被爆経験を国際社会の平和にどう生かせるか
が重要」との声もあり、東海大4年の舘林(たてばやし)真一さん(22)は「教科書
や本だけでは学べないヒロシマの姿を、米国の学生に伝えたい」と話していた。