東井朝仁 随想録
「良い週末を」

やる気さえあれば
今週の火曜日に、厚生労働省の局長だったA氏と、赤坂でランチをしたのだが、ちょっと驚
いたことがあった。
赤坂一ツ木通りを歩いて待ち合わせのポイントに近づいた時、「前を歩いているのはAさん
では・」と思ったが、少しガニ股でぎこちなく歩いている。
1年前にあった時は、端然とした姿勢で歩いていたが。
「違うかな。どうかな」と迷ったが、思い切って声をかけてみた。
振り返った顔は、A氏そのものだった。
それから、少し遅れてきたB氏を交え、古風な中華料理店の2階の窓側の席で、ビールを飲
みながらA氏に尋ねた。
「足はどうしたの?」
「学生時代やっていたラグビーでの膝の後遺症が、今出てきたんですよ」
「ポジションはフォワード?」
「そう。近年は座ってばかりで、あまり運動していないから、膝まわりの筋肉が衰えたのか
な」
「変形性膝関節症だね。スクワットを1か月も続ければ、元に戻りますよ。
それとも、そのガニ股は、アレをやり過ぎじゃないの?」と茶化し、3人で大笑いした。

A氏も60近い年齢。筋骨格系の機能低下が表れてもおかしくはない。
最近、サルコペニア(筋力低下等の身体機能が低下した状態。転倒・骨折・寝たきりの要因)
が問題となっている。中年でも、膝や腰が悪い人が増加している昨今。
現在の高齢社会において、私はメタボ対策よりこちらのほうが重要な問題と思っている。
私自身、今までに「変形性膝関節症」と「第4・第5腰椎椎間板ヘルニア」になった。
ヘルニアは合計3回やり(バレーボール、野球、ゴルフ、暴飲暴食からの胃腸機能の低下が
要因)
特に3年前のは、「脊椎管狭窄症」とも診断された。
2016年10月27日付の「晩秋に想う」と、2016年11月3日付の「晩秋に想う(2)」を参照
ください)

結論から言えば、両者とも運動療法で治した。
膝は「@片足立ち→背筋を伸ばして立ち、片足を床につかない程度に1分ほど上げて立つ。
これを左右の足でやる。一日数回で良い。信号待ちなどで私はこまめにやっている。Aスク
ワットを朝晩20〜30回ずつやる。B時間があれば、正しい姿勢でウオーキングを数十分
〜1時間やる」
その結果、痛みはすぐにとれ、それ以来快適。今もこれらの運動は励行中。

腰は前述の3年前の晩秋から、次の運動を励行。
「@ 身体を伸ばしてうつぶせになり、上半身だけを腕立てし、顔を上に向け、腰を反らす。
次に正座したまま、手を床の前に伸ばして上半身だけうつ伏せになり、腰を猫のように丸め
る。これをゆっくり5回ほど繰り返す。A腹筋と背筋(仰向けになって、両ひざを立て、頭
の後ろを両手で支えながら上半身を曲げてへそを見る。次にうつ伏せになって、腹を起点に
両手両足をまっすぐ伸ばして床から浮かす。これを1分間ずつ)
B毎日入浴する(時間は問わない)Cホカロン(大)を、パンツの上から座骨の中心部位に
貼る。朝貼って就寝時にはがす。これを毎日する」
これだけ。
膝の運動と併せて毎日行って、私の場合は3か月でほぼ完治(レントゲンやMRIでは、ヘ
ルニアや狭窄の変化は見えないだろうが)。
今では歩行数は一日平均1万2千歩。膝と腰の痛みは無し(ただし、和室での胡坐や、長い
駆け足の後は、腰が重くなる)。
「この状態では手術しかないな」と整形外科の医師に言われてから、一度も治療を受けずに
ここまできて、「3年ぶりにゴルフを再開するか」と、ふっと考えるまでになったのです。

つらつらと筋骨格系の話をしましたが、要は@医療機関で正しく(何が正しいか?わからな
いが)診察し、その後の治療方法を自分で真剣に考えて実行すること(手術したい人はそれ
もOKですが。サプリはまず無駄では・・・)
Aそれより、日頃の心と体の使い方、食事と睡眠のチエックをして、脊椎や関節を痛めたり、
筋肉を劣化させる要因を作らない生活をすることでしょう。
まずは心。「やる気さえあれば、何でもできる!」と前向きに。
この言葉は、日常動作が他の子より劣っていた長男が、幼稚園で女先生に「東井君は、やる
気さえあれば、何でもできますからね」と励まされときのもの。それ以降、長男は目覚まし
く元気になっていったのです。素晴らしい言葉。
だから、何事もまずは心と、私は思っているのです。

それでは良い週末を。