第55回日米学生会議
"U.S. and Japan: Civic Participation
in a Globalizing Society"
グローバル化社会と日米
~市民参加の視点から考える~
東京では、日本側直前合宿が行われた後、アメリカ側参加者が到着し、本会議が幕を
開けた。高円宮妃殿下や外務省、文部科学省関係者の方をお招きしての開会式、米国
大使館レセプション、外務省レセプションが開催され、対外的に本会議の開催を宣言
することとなった。安倍内閣官房副長官による講演も催された。また計5回の分科会
セッションの中で、フィールドトリップや勉強会などを通して、沖縄や京都での議論
の土台作りを行った。
<日米沖縄学生会議>
沖縄開催地の中心イベントとして日米沖縄学生会議を行い、第55回日米学生会議参加
者に加え、沖縄の視点を持つ地元の学生36名が会議に参加をした。日米沖縄学生会議
では全体テーマに加え、沖縄開催地のテーマ「沖縄のすがたを考える」を設置した。
フィールドトリップでは沖縄平和祈念資料館やガマ体験、基地建設予定地の視察など
を通して「沖縄のすがた」を体験した。また嘉手納基地訪問や沖縄学生を交えたディ
スカッションでは、日米関係を中心にした基地問題の現実を見聞き、議論した。基地
問題を抱え日米関係の縮図とも言える沖縄開催地において、戦争とは何か、基地問題
とは何か、安全保障とは何か、日米両国が抱えるこれらの問題について、日本、アメ
リカ、沖縄の3つの視点を各参加者は幾ばくか共有することができた。
<日韓米ジョイントディスカッション>
民間から国家レベルに至る様々な分野での日米遺憾の交流が行われるようになった今
日、日米学生会議は「日米間の相互理解」や「日米関係」の追及のみならず、「世界
の中の日米」あるいは、他の国や地域との関係の中での更なるパートナーシップとし
ての「日米」に対する視野も持つべきではないのか。この問題意識をもとに、日韓米
の学生によるジョイントディスカッションが企画された。グループに分かれて3つの
テーマについて意見を交換した後、グループごとに話し合われた内容を全参加者の前
で発表した。開会式、そしてフェアウェルパーティーでは、日本・アメリカ・韓国学
生有志が用意した各国の文化・気質を表現したスキットが笑いを誘い、最後は全員で
「ジェンガ」を踊るなど、楽しい雰囲気で企画は終了した。
日本有数の米どころであり、また日本で最多の15基の原子力発電所を持つ福井県で
は、「市民参加の視点」から農業、エネルギー問題における日米関係を問い直すた
めの学習を行った。学生間だけでなく、一般の方々とも日米間の交流を促進するた
めにホームステイを行った。主に農作業体験やワラジ作り体験、原子力発電所の見
学及び原子力に関する講演会を行った。自然豊かな上中市での体験とホームステイ
ファミリーの温かいもてなしを受けて、参加者にとって忘れることのできない思い
出深いサイトとなった。
<京都フォーラム>
最終開催地である京都では、会議成果の社会発信、還元の一環として地元高校生と
交流する機会を持った。各分科会に参加してもらい、京都学のレクチャー、伝統文
化体験を日米学生会議参加者と共に行った。また、第55回日米学生会議最大のイベ
ントである「京都フォーラム」を新風館で開催した。ステージ上では第55回日米学
生会議の紹介、アメリカ側参加者のカルチャーショック、日米関係、市民参加の意
義についてスキットやパネルディスカッションによる発表が行われた。また、分科
会企画では8つの分科会が本会議中に行った活動、議論の経過や提案が発表された。
最後に、来年度第56回日米学生会議実行委員の選挙が行われ、第56回日米学生会議
のテーマや開催地、分科会などの内容が議論された。約1ヶ月に渡る会議がここで終
了し、クロージングセレモニーやアメリカ側参加者の帰国時には別れが惜しまれる
光景がいたるところで見られた。
分科会やスペシャルトピックが少人数グループごとに異なるトピックについて議論を
するのに対して、全体討論は、会議全体でひとつのテーマについて話し合う機会とな
った。社会は、第55回日米学生会議のテーマから「市民参加」について、2回目はア
メリカ側実行委員の発意によって「イマジネーション」をテーマとして話し合う機会
が設けられた。
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